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劇団ぺブル(ぺブル・グラベル) 公式ブログ

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Category: 第三回公演【終演しました】 > 竹蔵さんのできるまで  

第209話 武蔵新田のラーメン屋台

記憶というものは、思い出したという自覚がなくても、
染み出してくるものなのでしょうか。
台本には書いてあるので、やはり染み出したものなのでしょう。

そういえばこんなことがあったと、
「竹蔵さんのおくりもの」
開演間近になって思い出したエピソードがあります。

高校卒業と同時に、岡山を出て、東京に進学でやってまいりました。
そして劇団の研究生となり、芝居を学んでいた頃です。

当時住んでたのは蒲田から遠からず、
武蔵新田という小さな駅近くのアパートです。

劇団でレッスン受けた後、アルバイトで帰りが遅くなりますと、
武蔵新田駅周辺は小さな商店街です、
あまりその時間開いてる店はありませんでした。

なんだかお腹が空くんです。
バイト終わりはなにか食べたくなるんです。

駅前に屋台がいっつも出てました。
ラーメンの屋台です。
駅を出るといっつもいいにおいが漂っているんです。

食べたいなぁ…と思うのですが、
「おやじ、ラーメンとビール!」
なんて気軽に言って席に着けない、
何だか屋台ってそういう空気があると感じる年頃でした。

でもどうも気になる屋台なんです。
あまりいつもお客さんもいませんでしたし。
なんだかさみしげにおじさんが立ってました。

ある時、思いきって席に着き、
「ラーメンください」と言ってしまいましたね。

「はい」
と、思いのほか、優しい声のおじさんでした。

出てきたラーメンは、これぞ普通のラーメン!
というラーメンでしたね。
麺はのび気味で…しかし自分はむしろのび気味の方が好きでしたし、
スープは少なめでしたから、麺を食べきりますと、
残ったスープを飲みほすのに苦はありませんでした。

そうするとおじさん、こんなことを言いましたね。
「スープまで全部飲んでくれるのが一番嬉しいですよ」

そう言われますと、
次また来た時も、おじさんの一言がありましたから、
やっぱり頑張ってスープまで飲みほしましたね。

そうして何回か食べに来ていると、
おじさん、私がスープ好きなのかと思ってくれたのでしょうか、
いつもよりスープの量が増えてきましたね。
おおっと…

おじさんの好意でしょうから、やっぱり頑張って、
スープまで飲みほしましたね。

「これ持って帰りなよ」

おじさん、ついにはゆで卵をくれるようになりました。
そうなんです、ゆで卵をくれたんです。
小さなナイロン袋に三つほど入ってました。

この卵のことを忘れてました。
そういえばあのおじさん、ゆで卵をくれたなぁと、
さっきふと思い出しました。

台本に書いてるんですよねぇ。
ゆで卵。
やっぱり記憶は染み出していたんですね。

おじさん、ある日妙な咳きをしていました。
風邪かな?って思ってたら、

それ以来、武蔵新田駅の前に屋台が出なくなりました。

あのおじさんはどこに行ったのでしょう。
普通のラーメンでしたが、のび気味の麺が恋しいです。

あのおじさんはどんな人生を背負っていたのでしょう。
ほとんど話をしなかっただけに、余計に気になります。

あのおじさんの記憶も、
竹蔵さんに染み出しました。

竹蔵さんは、どんな人生を背負っていたのでしょう。

竹蔵さんという
ラーメン屋台のおじさんの一生と、
竹蔵さんに近づこうとする
夏子という女の一生が、

間もなく舞台で交錯します。

竹蔵さんのラーメンも、
やっぱり麺は少しのび気味なんじゃないかなと、
書いた自分は思っています。


つづく…














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テーマ : 演劇・劇団    ジャンル : 学問・文化・芸術


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